PBR社 生成AI活用研修|成果につなげる2ヶ月運用企画
研修を「イベント」で終わらせず、業務の変化として定着させるための運用のご提案です。
研修の構成(既存カリキュラムより)
全6コースを各12コマ(1コマ60分・合計12時間)で統一しています。実施は1日2コマ=120分×6回、週1回の対面形式で、水・木・金に集約しています。
| コース | 対象 | 目標要約 | 開催枠 | 人数 |
|---|---|---|---|---|
| A 広報 | 広報部 | メール・リリース・競合調査・画像を再現可能な型へ | 水 13:00–15:00 | 1名 |
| B 業務・管理 | 業務課・管理本部 | KYC・出庫記録・スプレッドシート自動化を安全に標準化 | 木 10:00–12:00 | 5名 |
| C システム | システム開発部 | 要件・テスト・PM判断をチーム資産化 | 金 13:00–15:00 | 4名 |
| D 制作 | 制作課 | 画像・動画・発話生成を省力化し、1名でも継続・引継ぎ可能に | 金 10:00–12:00 | 1名 |
| E CS・VIP | 顧客管理課1課・2課 | PBR社らしい表現・FAQ・連携・教育を平準化 | 水 16:00–18:00 | 6名 |
| F 広告・経営企画 | 広告宣伝課・経営企画室 | 文章・SNS投稿自動化・LP・企画を標準化し発信を継続化 | 木 13:00–15:00 | 5名 |
全コース共通で、第1回は「キャリア設計+入力可否・安全利用」、第6回は「マニュアル化・引継ぎ・効果測定・90日改善計画」を扱います。
本企画のねらい
一般に、研修が現場に定着しない背景には、次の3つの型があると言われています。
- ツールの基本操作の説明だけで終わってしまう
- 部署や業務に関わらず全員が同じ内容を受講する
- 研修後のフォローがなく、研修が単発の「イベント」で終わってしまう
今回のPBR社様向け研修は、すでに部署別・業務起点でカリキュラムを設計しており、①②の課題はクリアしています。本企画は、残る③「研修後のフォロー」を埋めるための運用のご提案です。
研修中から「研修後も続く仕組み」を回し始め、2ヶ月後にはそのまま日常運用へ移行することを目指します。
2ヶ月の運用サイクル
週間ループ
研修期間中・継続フェーズを通じて、以下の週次サイクルを回し続けます。
実施カレンダー(10/5週〜12/14週)
| 週 | 研修(コース) | ミニテスト | アウトプット会 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 10/5週 立ち上げ |
A①・B①・C①・D①・E①・F① | 各回終了後10問 | なし | 研修開始(全コース第1回:キャリア設計+入力可否・安全利用)。匿名アンケート実施 |
| 10/12週 立ち上げ |
A②・B②・C②・D②・E②・F② | 各回終了後10問 | なし(10/12は祝日・振替なし) | アウトプット会は初回10/19からスタート |
| 10/19週 定着 |
A③・B③・C③・D③・E③・F③ | 各回終了後10問 | 10/19(月) | アウトプット会 初回実施 |
| 10/26週 定着 |
A④・B④・C④・D④・E④ | 各回終了後10問 | 10/26(月) | コースBは10/28(水)10:00–12:00に振替実施。コースFはこの週の実施なし(10/29休講) |
| 11/2週 定着 |
A⑤・B⑤・C⑤・D⑤・E⑤・F④ | 各回終了後10問 | 11/2(月) | |
| 11/9週 定着 |
A⑥・B⑥・C⑥・D⑥・E⑥・F⑤ | A〜E:総合テスト20問+成果物提出/F:通常テスト10問 | 11/9(月) | コースA〜E 最終回(手順書・引継ぎマニュアル・90日改善計画を提出) |
| 11/16週 定着 |
F⑥(11/19実施) | F:総合テスト20問+成果物提出 | 11/16(月) | コースF 最終回(11/19木)。全コースの研修が終了 |
| 11/23週 自走・継続 |
― | ― | 11/24(火・祝日振替) | 継続フェーズ開始。研修と同じ形式で運用を継続 |
| 11/30週 自走・継続 |
― | ― | 11/30(月) | 継続フェーズ |
| 12/7週 自走・継続 |
― | ― | 12/7(月) | 継続フェーズ |
| 12/14週 自走・継続 |
― | ― | 12/14(月) | 継続フェーズ(以降も同形式で継続) |
祝日振替:10/12(スポーツの日)はアウトプット会を実施せず、初回を10/19としています。11/23(勤労感謝の日)は翌営業日の11/24(火)に振り替えます。
毎回ミニテスト&ランキング
目的は「受講したかどうか」ではなく「使えるかどうか」の可視化です。
設計
- 各回終了後、Googleフォームで10問(選択式8問+実践課題2問)に当日中に回答。所要時間は10分程度
- 出題は当日の講義内容+自部署の業務適用を組み合わせます(例:「この情報は入力可・条件付き・禁止のどれか」)
- 最終回(第6回)は総合テスト20問に加え、「自部署の業務を1つAI化した成果物」を提出
集計・発表
週末に講師側で集計し、月曜のアウトプット会で発表します。結果は共有ドライブの常設ダッシュボードで随時確認できるようにします。
ランキング(2本立て)
| コース | 部署 | 人数 | 評価指標 | 順位 |
|---|---|---|---|---|
| A | 広報部 | 1名 | 平均点 | ― |
| B | 業務課・管理本部 | 5名 | 平均点 | ― |
| C | システム開発部 | 4名 | 平均点 | ― |
| D | 制作課 | 1名 | 平均点 | ― |
| E | 顧客管理課1課・2課 | 6名 | 平均点 | ― |
| F | 広告宣伝課・経営企画室 | 5名 | 平均点 | ― |
部署対抗は「平均点」で順位付けします(人数差の影響を受けないため)。広報・制作は1名部署のため、平均点=本人の点数として扱います。順位は毎週のミニテスト結果をもとに更新します。
個人表彰(3種)
- 週間MVP:その週の最高得点者
- 伸び率賞:前回比で最も点数が伸びた人
- 実践賞:アウトプット会で最も反響の大きかった事例の発表者
順位は「競わせるため」ではなく、「使えている人を称える文化」をつくるためのものです。下位部署への叱責には使用しません。
週1アウトプット会(月曜30分・オンライン・全部署合同)
進行台本(30分)
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 0〜5分 | ランキング発表・表彰 |
| 5〜20分 | 事例共有(2〜3名×5分。「何を・どう・どれくらい変わったか」) |
| 20〜27分 | 講師側からのフィードバックと他部署への横展開のヒント |
| 27〜30分 | 来週のチャレンジ宣言 |
発表者は各部署から持ち回りで選出します。1名部署(広報・制作)も月1回は登壇いただきます。当日は録画し、要約とあわせて共有ドライブに蓄積します(事例ストック)。
役割分担
| 項目 | 講師側(研修運営) | PBR社 |
|---|---|---|
| ミニテスト作成・採点・ランキング更新 | ◎ | ― |
| アウトプット会の進行・フィードバック | ◎ | ― |
| 事例の記録・要約・共有ドライブ整備 | ◎ | 閲覧・活用 |
| 日程確保・参加の呼びかけ | ― | ◎(推進担当1名) |
| 表彰(口頭・社内周知) | 案を提示 | ◎ |
| ツール契約・アカウント管理 | 設定を支援 | ◎(管理者) |
AIツール環境
方針として、Claude Team と ChatGPT Business(旧 ChatGPT Team)の2つを法人向けチームプランで全員に配布し、「共通基盤」とします。既存のGemini・Genspark等は用途に応じて併用いただけます。
なぜチームプランなのか(個人プラン・無料版ではなく)
- 入力データが学習に使われない設定が標準になっている(無料版・個人版は設定漏れのリスクがあります)
- 管理者コンソールでメンバーの追加・削除・利用状況を会社側で把握できる(退職時の即時停止が可能)
- 業務利用を会社管理の環境に集約できる(個人アカウントでの業務情報の入力は禁止し、入力前にワークスペースを確認する運用とセットで徹底します)
- 請求が一本化され、部署別の増減に追随しやすい
なぜ今はエンタープライズ・API従量課金ではないか
API従量課金は利用量に応じて費用が変動するため、導入初期のデータ整備段階では見通しが立てにくくなります。エンタープライズ契約は管理要件や契約条件の確認に時間を要します。このため、まずはチームプランで浸透を図り、必要に応じて段階的に検討することをお勧めします。
使い分け(例・断定はしません)
| 用途 | 主に使うツール | 補足 |
|---|---|---|
| 長文の文書作成・校正・要件定義・手順書 | Claude | 文章品質・長文の一貫性に強み |
| GAS・スプレッドシート自動化のたたき台 | Claude | コード生成と説明 |
| 画像生成・音声・汎用的な調べもの | ChatGPT | 画像生成を標準搭載 |
| 定型プロンプトの共有(社内テンプレ) | 両方 | Claude Projects/ChatGPT GPTs |
| SNS原稿の量産・言い換え | ChatGPT/Claude | 部署の好みで固定 |
利用環境はブラウザ+デスクトップアプリを想定しています。ファイル整理や社内資料の参照はデスクトップアプリの方が導入しやすい傾向があります。
初期設定チェック(導入日にやること)
- 学習オフ設定の確認
- 2段階認証の設定
- 管理者2名の選定
- 部署別ワークスペース/プロジェクトの作成
- 退職時の停止手順の整備
導入時の注意点・セキュリティ運用
広報部からのご質問への回答:研修第1回で各部署が作成する「入力可否表」は、研修運営側が全部署分を統合し、社内共通ルールとして共有いたします。
入力可否の3段階(PBR社向け)
| 区分 | 扱い | PBR社での具体例 |
|---|---|---|
| 🟢 入力可 | そのまま入力してよい | 公開済みのHP・プレスリリース・FAQ、一般的な制度・法令の説明、社内テンプレートの雛形(固有情報を除いたもの) |
| 🟡 条件付き可 | 匿名化チェックを満たした場合のみ | 顧客名・IDを除いた問い合わせ文、金額・日付を丸めた取引データの構造、未公開でない社内手順 |
| 🔴 原則禁止 | 入力しない(人が直接処理) | 顧客の氏名・住所・連絡先・生年月日、KYC書類(本人確認書類の画像・番号)、ウォレットアドレスと個人の紐付け、取引ID・数量と個人の紐付け、預り資産額、口座情報、パスワード・APIキー・秘密鍵、未公開の事業報告・財務情報、社員の給与・人事評価 |
匿名化チェック(🟡用)
氏名・ID・アドレス/金額(レンジに丸める)/日付/部署・役職/取引所名などの組み合わせで、個人や取引が再識別されないかを確認します。
運用ルール
- 無料版のAIツールで業務情報を扱わない(学習に利用される規約が多いため)
- AI出力はあくまで下書き。顧客への送付・出庫・振込・契約に関わる判断は必ず人が最終確認する
- 毎回同じ動きをする固定業務(転記・照合)は生成AIに毎回考えさせず、GAS等のプログラムに固定し、AIはそのたたき台作成に使う
- 段階的に運用する:まず「人がチェック」→安定したら「AIがチェックし例外だけ人へ」。いきなり全自動にはしない
- 外部サイト・PDFをAIに読ませる際は、指示の乗っ取り(プロンプトインジェクション)に注意する。送金・出庫系の操作をAIに直接行わせない
- ログには入力本文ではなく、日時・利用者・用途・データ区分を記録する
AIを「使わない」ことにも、業務効率や人材面で相応のリスクがあります。入力可否と確認手順を守ったうえで、安全に扱える業務から段階的に活用を広げることをご提案します。
評価制度の見直し(研修と並行して検討を始める理由)
現場に不満が出る3つの原因
- 自分の存在価値が分からなくなる
- 何で評価されているか分からなくなる
- AI化しても評価されないと頑張らなくなる
結果として、効率化した人にだけ仕事が増える状態を招きやすくなります。これを避けるための検討を、研修と並行して始めることをお勧めします。
AI時代の3つの評価軸
- AIでどれだけ効率化したか(削減時間・削減費用・売上への寄与)
- 人にしかできない判断・価値を生んだか(ゼロイチの提案・意思決定)
- チームにナレッジを共有したか(アウトプット会・事例ストックで定量化できる)
研修中に始める3ステップ
- 全社員に「AIで何が不安か」を尋ねる匿名アンケートを研修1週目に実施
- 成果を出した人を称える場を作る(本企画のミニテスト・アウトプット会がその場になります)
- 評価制度の見直しを経営会議のアジェンダに入れる(11月中に論点整理、12月に方針決定を目安)
具体的な反映率や制度案は本資料では扱いません。アウトプット会の記録が、見直しの材料になります。
研修終了後も続く仕組み
研修中に回し始めたものが、そのまま研修後も残っていきます。
- ミニテスト → 月次テストへ移行
- アウトプット会 → 継続実施
- 事例ストック → 「AI化会議」の検討材料に
AI化会議(月1回)
事例ストックをもとに「次にAI化する業務」を各部署が1つ決め、翌月のアウトプット会で発表します。
各コース第6回で作成する「90日改善計画」は、12月〜2月の運用表に接続していきます。
研修終了後の継続支援(月次サポート)の内容につきましては、別途ご提案いたします。
本日ご確認いただきたいこと